静脈内鎮静法の解説

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静脈内鎮静法

静脈内鎮静法

歯科治療の分野で現在注目を集めている施術に静脈内鎮静法というものがあります。

これは鎮痛薬や向精神薬を静脈に直接注入し、麻酔状態をもたらす方法です。歯科治療での麻酔というと歯茎に注射をする方法が一般的ですが、これに対して強い恐怖を覚える人も多いものです。また、歯科治療そのものに対して恐怖を感じる人も少なくありません。静脈内鎮静法には精神の緊張状態を緩和させる効果があるため、こういった不安を解消することもできるのです。
静脈内鎮静法
リラックス効果とともに大きいのが健忘効果。治療中はぼんやりした状態になっており、治療中に起こったことを覚えていないことが多くなります。また、時間の感覚も麻痺するので治療時間が実際よりも短く感じるようにもなります。いつ終わるのか不安にさらされながら治療を受けるようなこともないのです。

この静脈内鎮静法、麻酔方法としては不十分なため、別に局所麻酔を行うことになります。しかしその際に痛みを感じることもほとんどなく、あったとしても覚えていないことがほとんど。麻酔の恐怖を感じることもありません。

歯科恐怖症だけでなく、嘔吐反射が強い人にも適している静脈内鎮静法。また心電図や血圧計といった生体モニターを使用し、治療中の健康状態を逐一チェックしているので、術中の体調変化にも迅速に対応できます。

全身麻酔に比べずっと安全性も高く、一度治療を受けた人の多くは再び静脈内鎮静法を希望するとも言われています。歯科治療に付きまとうマイナスイメージを払拭できる施術方法として今後さらに注目を集めることでしょう。


恐怖心の強い方へ(静脈内鎮静法

★静脈内鎮静法の適用について
年間の平均でインプラント手術の49%で静脈内鎮静法を行っています。また、インプラント手術以外の症例(抜歯・著しい嘔吐・歯科恐怖症など)は年間約30~40症例です。
2005年  108症例
2006年  115症例
2007年  180症例
2008年  142症例

静脈内鎮静法とは?
静脈内鎮静法は、向精神薬、鎮痛薬を組み合わせて静脈内投与し、治療に対する不安感や恐怖心を和らげるものです。 全身麻酔では、ありません。

静脈内鎮静法の目的は?
精神的緊張の緩和です。

痛みは?
鎮痛効果は不完全なので痛みを伴う治療には局所麻酔が必要です。しかし、健忘効果が期待できるので、治療中の不快な経験が残らなくてすむことが多いです。術中のことを、全く覚えて無い人もいます。

危なくないのですか?
意識を残した状態なので、患者様は術者の指示に従うことができ、生体の防御反応も保たれているので、安全性が高いです。

実際、どんな感じですか?
薬を投与すると、1~3分以内で眠くなり、寝てしまいます。
しかし、こちらが問いかけると、反応します。術中の事は、ほとんど覚えてないです。

当日の注意事項は?

  • 通院手段
      車や自転車の運転は禁止です。(術後は、眠く、ふらつくことがあります)
  • 付添人
      いなくても良いですが,いた方がbetterです。
  • 食事
      術前は,軽食 または 絶食です.術後は,食事できます。
  • 体調の確認
      悪ければ延期します。
  • 服装
      点滴をするので、腕をまくれる服装が良いです。
  • お化粧
      術直前は、口紅を取っていただきます。マニキュアはしないでください。
      コンタクトレンズも外していただきます。
  • 常用薬
      いつも通り服用してください。
  • 術後
      家に帰ってからは、安静にしていただきます。

帰りは、どうやって帰るのですか?
タクシーにてご自宅まで、お送り致します。遠方の方は、近くのホテルをお取り致します。[当院負担]

鎮静法をしても怖いですか?
最初は、怖いかもしれませんが、点滴をして寝てしまうので、その後は怖くありません。一度、鎮静法を受けた方は、次回も希望される方が多いです。

鎮静法は、年間どれくらいしてるのですか?
年間150~200人ぐらいが鎮静法で治療を受けています。

病気があってもできますか?
心疾患・高血圧・糖尿病・肝疾患・腎疾患・精神疾患等、術前に問診し、問題がありそうな場合は、医科に対診します。 疾患の程度によりますので、場合によっては、鎮静法ができない場合もあります。

実際のセデーションの流れ

モニター

恐怖心 恐怖心2 恐怖心3
血圧と血液中の酸素の状態を計測します

矢印2
恐怖心4
点滴をします (血管内には、ゴムチューブだけが留置されます)
矢印2
恐怖心5
薬を投与します

使用薬剤:ドルミカム等
ドルミカム:超短時間型ベンゾジアゼピン       血管痛 :なし
作用時間 :20~60分程度            鎮静作用:強い
覚醒   :2~3時間               呼吸抑制:強い
初回使用量:0.03~0.06㎎/㎏ (1.5~3㎎/50㎏)  循環抑制:中程度
維持使用量:0.01~0.02㎎/㎏ (0.5~1㎎/50㎏)  鎮痛作用:ほとんどなし

矢印2
手術中は、薬を追加します。半分眠った状態です。
矢印2
手術終了前、薬を追加しないので、だんだん起きてきます。
矢印2
手術終了後、しばらく休んでいただきます。
なかなか起きない場合は、起きる薬を使用します。
矢印2
意識、動作に問題が無いと確認した後、レントゲン撮影します。
矢印2
タクシーで、家までお送り致します。




上記記事は、
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